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2003年から日本の防空を担うシステムである、「警戒管制システム」の開発に携わっています。外国からの航空機の侵入や、弾道ミサイル攻撃から日本を守るために必要な防衛設備、レーダーなどを統合して運用していくシステムです。国家的なプロジェクトで、『防衛白書』にも掲載されている大規模で重要なものですから、神経を使う反面、非常にやりがいのある仕事だと感じています。
規模が大きいと言いましたが、「大き過ぎる」と言ってもいいかもしれません。十数社、何百人ものスタッフがかかわるプロジェクトですから、担当するソフトの分野も多岐に渡ります。そのすべてがうまくつながり合わなくては、システムとして意味をなさい。そんな状況の中で、何か問題があったときに、問題のある部分を担当している会社、スタッフを瞬時に判断して調整をかけなくてはなりませんし、問題が起こる前兆があれば影響の出る部分を予測し、また調整しなくてはならないわけです。そのつど発生するコミュニケーションを円滑にする能力、何事にも対応できる知識が要求されます。その部分がこのビッグプロジェクトで一番大変なところだと思います。
コミュニケーション能力はもちろんですが、「気付き」の感覚の有無が、このプロジェクトの成否を分けるポイントかもしれません。スケジュールに沿って仕事を進める上で、「これが必要になるはずだ」と察知する気付きから、「クライアントはこれを望んでいる」と理解するための気付きまで。あらゆる局面で先手、先手で気付いていくことによって、トラブルのないプロジェクト運営が可能になります。
私が警戒管制システムの開発プロジェクトにかかわったのは、仕事を受注する段階、つまり、我々ができることをプレゼンテーションし、担当する範囲を獲得してくるという時点からでした。今回のプロジェクトはスタートからかかわらせていただいているということですね。システムの全体像や業務の一連の流れを把握しながら携わっているのでやりやすいですね。
では、このプロジェクトのゴールはどこにあるのかといえば、「ゴールはあってないようなもの」なんです。今作っているシステムは「第3世代」と呼ばれるバージョンなのですが、第1、第2世代はそれぞれ20年使われています。ということは、最新の第3世代も、今後20年間運用していかなくてはならないわけです。私が今後20年運用にかかわるかどうかは別として、システムは生き続けます。その間、次世代の開発もあるでしょうし、従来のシステムのメンテナンス、アップデートもあるでしょう。だから、明確なゴールは設定できないんです。ただ、段階的な納期は設定されています。ある程度の区切りをつけながらも、この重要な仕事は脈々と続いていくのです。
仕事をしていく上で不可欠なのは、何と言ってもコミュニケーション能力ですね。ソフトウェアを作る仕事は、モニタの前に座ってキーボードを叩いていればいいと言うものではありません。プログラムの設計にかかわるのであれば、クライアントとの折衝も必要ですし、社内で設計方針を決める会議もある。開発をしていく上ではチーム内での打ち合わせや進捗の報告、クライアントへの説明や提案の機会は必ずやってきます。いずれにせよ、人と接すること、その場面で自分の言いたいことを的確に伝えることができなければ、良いソフトウェアは作れません。エンジニアとしても信頼を勝ち取ることはできないでしょう。
これからこの業界に進みたいと思っている人は、開発技術を磨く以上に、コミュニケーション能力に磨きをかけることが必要となることを忘れないでください。
それと、個人的には「プライベートを大切にできる人」と仕事ができたらうれしいです。仕事に熱中するのは良いことだと思いますが、すべてを削ってまで仕事に没頭するのはいかがなものかと思います。プライベートが充実しているからこそ、気持ちの切り替えもスムーズになるし、柔軟な考え方ができるようになるのではないでしょうか。スイッチのON、OFFができる人と、楽しく仕事をしていきたいですね。
運動不足が気になっていたので、最近はジムに通い始めました。体を動かすようになってから、ずいぶん調子がいいです。また、軽音楽部というサークルに所属し、バンドを結成してライブをやったりもしています。先日はパンクを演奏しました(笑)。防衛の仕事を担当しているのに、パンクなんて……怒られちゃうかもしれませんね(笑)。